一定でなくてもよいが)は明らかになる、つぎに、このときのドプラシフトの
値4f(t)は(3.1)式から、
ここでfτは送信周波数、dD(t)/dtは微分学の導関数で時間tにおける距離D(t)が微小な時間dtの間に変化する大きさという意味で、これはその瞬間の速度νと同じになる。そこで、t=teのときには、4f(tc)=0であり、詳しい導き方は省略するけれども(3・5)、(3.6)式から、
という形で距離Dcが求められる。ここで{d4f(t)/dt}t=tcという値は時間tcにおける4f(t)の時間に対する変化、すなわち、図3.6のteのところにおける4fの傾斜となる。こうして前述の面の上でのSeからの距離がDcの円の上の地球上の点、すなわち、前述の地球面と軌道画に直交する平面との交線で作られた位置の線上で、Seからの距離がDeの点(原則として2つの点が求まるが、そのいずれかは推測航法できめる)が船位となる。しかし、この方法はteという時間を測定する精度などで実用はむすかしいといわれている。
第二の方法は、地上のある点で衛星からの受信電波のドプラ曲線(図3.6の下の曲線)を衛星との間の星団距離の変化という幾何学的な寸法をもとに計算をする。その計算をする受信位置は推測航法で求めた位置とする。そして、別に実測で同じ曲線を求める。両者の曲線が異なっているとき、その差は受信位置が正しくないために生ずると考え、計算と実測の南曲線ができるだけ一致するよう推測受信位置を少しずつ移動させて順次計算を繰り返す方法である。
COSPAS−SARSATシステム
概要
このシステムは極軌道周回衛星を用いてSAR活動を円滑にさせることを目的として、SARSATのグループである米国、カナダ、フランスとCOSPASの開発国ソ連とが同一目標のシステムを効率よく開発するために国際協力活動を展開することにしたもので、その後ノルウェー、英国、フィンランド、スウェーデン、ブルガリア、デンマークの諸目が参加している。
その活動は主として、
?121.5MHzを用いた現存の航空幾用位置信号発信機(Emergency Locator Transmitter:ELT)と船舶用緊急位置指示無線標識(Emer−gency Position Indicating Radio Beacon:EPIRB)システムを維持していくこと
?406MHzを用いた新しいシステムがより高精度で世界的な利用者の要求を充足できることを実証すること
?国際的実用システムを早急に開発することを目標としている。
システムの一般概念
基本的なコスパス・サーサットシステムの概念を図8.20に示すELB、EPIRB、PLBなどのビーコンはコスパス・サーサットの適切な受信装置を積んだ低高度(サーサットはNOAA衛星に積まれており高度850?、赤道との傾斜角99°、約100分で地球を1周、コスパスはCOSMOS航海衛星に載せられており高度999?、赤道傾斜83度、105分で地球を1周する。)極軌道衛星で検知される信号を発信する。この信号はLUT(Local User Terminal)と呼ばれる地上局
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